重曹の使い方は掃除から料理までとても幅広く、100%活用していない人も多いのではないでしょうか。重曹は100円前後と値段も安く、たっぷりと使えるのも魅力。
さらに重曹は食品添加物としても許可されているものなので、安全に使える可能性があるのです。そこで今回は重曹の使い方について、あらゆる方法をご紹介していきましょう。
家にあるけれど、何に使えるかわからない。そんな宝の持ち腐れのような状態から、手放せないアイテムへと見直してみませんか。
お料理で使う重曹について
料理で重曹を使う場面がよくありますが、意外な使用方法を知らない人も多いでしょう。まずは料理のシーンで使いこなす方法について、詳しくご説明していきますね。
硬い肉を柔軟にする可能性
アルカリ性の重曹は、水分を浸透しやすくする作用が期待できます。たとえば肉料理。値段が安い牛肉だと、どうしても硬い食感が残りますよね。
そんな時に活躍するのが重曹なのです。アルカリ性により肉のタンパク質組織を分解し、硬い肉も柔軟に仕上げてくれるかもしれません。
また加熱時の肉の縮みも予防できる可能性があり、ステーキを焼く際にもメリットが期待できます。重曹を使う下準備は、水250ccに対して重曹小さじ1杯を溶かし、肉を30分~1時間ほど浸して水分を拭き取り料理に使ってください。
同様に時間がかかる豆料理。水で浸す際にひとつまみ重曹を入れるだけで、豆がふっくらと柔らかく調理できます。
エビにも効果が期待できる
エビのチリソースは、温かいご飯のおかずにピッタリ。中華レストランで食べるエビ料理のように、ぷりぷりに仕上がらないという声がよく聞かれます。
エビは食感が命。重曹の使い方で意外と知られていないのが、エビをぷりぷりにする効果が期待できることです。そのまま加熱すると身が硬くなりますので、下味をつける際に重曹をひとつまみ。
タンパク質を分解する作用で、加熱後のエビがさらにぷりっと仕上がる可能性があります。同じくイカも、重曹を使って下ごしらえしておけば、八宝菜などの海鮮メニューでも活躍するかもしれません。
硬水から軟水へ変えられる可能性
ミネラルウォーターを買う時に、軟水か硬水かにこだわる人もいるでしょう。海外のブランドは硬水が多く、日本人の口に合わない場合もありますよね。
また軟水は素材の味を引き出す作用が期待できるため、ご飯を炊く時や野菜を茹でる時も、軟水のほうがよいといわれています。硬水は軟水よりもマグネシウムやカルシウムが多いため、重曹を加えると金属イオンを挟み込み、まろやかな軟水になる可能性も。
普通の軟水も重曹でさらにマイルドになり「超軟水」に変えられるかもしれません。
魚のニオイについて
魚料理を作る人が近年減っているといわれていますが、生の魚はまな板やグリルなどにニオイが残るので、料理がつい面倒になってしまいます。
重曹の使い方としては、研磨効果や消臭作用が期待できるので、調理時のぬめりやニオイを取り除ける可能性があります。ぬめりをとる場合は重曹を魚全体に振りかけ、水で洗い流します。
キッチンペーパーで水気を拭き取り、調理してください。ニオイ対策は水1リットルに対して、大さじ1杯の重曹を溶かし、丸ごとの魚や切り身などを入れてサッと洗い流し、水気を拭き取って調理してください。
農薬落としについて
レモンの皮をおろしてクッキー生地に入れたり、スライスレモンをそのまま紅茶に入れたりする場面がよくあります。そんな時に神経質な人だと、皮に付着した農薬が気になるでしょう。
重曹を果物の皮に振りかけ、表面を擦り込むようにして水で洗い流すと、農薬が落とせる可能性があります。皮を使う料理や、丸ごと食べる際に下準備をしておきましょう。
重曹が大活躍する掃除
重曹はアルカリ性の性質などを活かし、家庭のあらゆる場所で活躍するアイテムです。市販のクリーナーではニオイがきつい、手が荒れるなど、重曹を代用できる場面が色々とあります。
浴室のカビ掃除
水廻りはいつも清潔にしておきたい場所で、とくに浴室は汚れが蓄積され、雑菌が繁殖しやすいですよね。浴室の黒い汚れはカビ。
表面をこすっても落ちない、頑固な汚れがとても厄介です。浴室内のタイルのカビなどは、重曹ペーストを使いましょう。重曹2に対して酸素系漂白剤2、ぬるま湯を合わせてペースト状に。
10分ほど放置したらカビに塗り、ラップでカバーして4時間以上置きます。後はお湯で洗い流すだけ。一度で落ちないカビは、歯ブラシやスポンジで擦り、何度か同じ工程を繰り返してください。
キッチンの油汚れ
換気扇掃除は年に一度しかやらない人も多いはずですが、キッチンは油汚れがとても頑固で、掃除もつい後回しになってしまいます。
とくにレンジフード部分ですが、油が層になるほど厚いとスポンジでこすっただけでは無理ですよね。換気扇のファン部分を取り外し、重曹を水でペースト状にしたものを厚く塗って一晩置きます。
重曹は、油汚れにも有効だといわれています。一晩経過したら食物酢をスプレーに入れて、上からまんべんなく吹きつけてください。
酸の働きで泡が立ち、汚れが浮き上がってきます。同様にオーブンの掃除もできます。レンジフードのフィルターは、熱湯に重曹と食器洗剤を混ぜた中に10~15分ほどつけ込んで、歯ブラシなどを使いお湯で洗い流すと簡単です。
洗濯機の掃除
梅雨時期になると気になる洗濯槽のカビ。専用の洗剤が販売されていますが、重曹ならコストを安くできるのがよいでしょう。洗濯機にぬるま湯を溜め込み、重曹1カップ入れて洗濯コースをスタートします。
ゴミやカビなどの汚れが浮いてきますので、ネットで掬いとり脱水まで終わらせたら完了です。またボタン部分などの手あかも、重曹水を吹きつけてこすり落とせるといわれていますので、合わせてやっておきましょう。
意外な重曹の使い方
重曹の使い方はあく抜き、掃除などが知られていますが、意外なところでも活用する万能アイテムです。これからは次の用途も、重曹の使い道として覚えておくと便利です。
体臭ケア
重曹はアルカリ性の性質を活かし、酸性の体臭ケアを改善できる可能性があります。浴槽に重曹を大さじ1~2杯ほど入れ、よく混ぜて入浴すれば全身の体臭ケアになるかもしれません。
浴槽に重曹を入れると皮脂を中和して、角質を綺麗に落とす効果が期待できますので、全身がつるつるになる可能性も。お風呂タイムで、重曹の効果をぜひ体験してくださいね。
犬のドライシャンプー
犬はシャンプー嫌いで、ペットサロンに行かざるを得ない場合がよくあります。重曹は愛犬のケアにも活躍するアイテムで、使い方もとても簡単。
ガーゼに重曹を入れて袋状に包み、犬の全身にポンポンと粉を振ってください。その後にいつも通りにブラッシングして、濡れタオルで拭けばほこりなどが綺麗になり、さらに消臭効果も期待できるでしょう。お風呂嫌いの犬も、この方法なら嫌がらずやらせてくれるはずです。
まとめ
重曹の使い方はこれだけでなく、まだまだたくさんあります。アルカリ性や発泡性、研磨性など重曹の特徴を活かせる場面を考えてみましょう。
料理で使う場合は、必ず食品用であることをご確認くださいね。また敏感肌の人は念のために、掃除の際は必ずゴム手袋を着用してください。
重曹は保管できるアイテムなので、いつも家に置いてあると便利です。家事のコストパフォーマンスをアップし、使い方のアレンジがしやすい重曹。使いきれずに困っている時は、あちこちで活躍させてくださいね。