「こんなにしんどい思いをするぐらいなら、仕事している方がましだった。」
子育ての悩みや疑問をネットで調べていると、お母さんたちのこういった思いの吐き出しを頻繁に見かけます。
独身の時に、よくお仕事でご一緒したキャリアウーマンのお母さん達。
小さい子がいるのにバリバリ働いている姿を、すごいなぁ、よくできるなぁと尊敬と憧れの目で見ていました。
そういう人に「すごいですね」「かっこいい」と声をかけると必ずこう返事が返ってきます。
「私からすると、ずっと子供を付きっきりで見ているお母さんたちの方がすごいと思います。仕事している時の方がずっと楽ですよー」
そんな馬鹿な(笑)!
謙遜するなー、と子育て経験のない当時は思っていました。
しかし、そんな私自身が出産し、子育てだけの生活を経験。
その後、育児しながらも働く生活も経験。
どちらもやってみた今ならあの時のキャリアウーマンのお母さんの気持ち、
すごく共感できます。
しかし一方で、専業の時に親しくなったお母さん達の中には、「育児しながら仕事してるなんてすごい。私は子供が大きくなってもできれば働きたくないよ。ずっと家にいたーい(笑)」
という人もいます。
私はそんな風に話す彼女が信じられなかったし、彼女も、私が兼業主婦の方が楽だったと話すことを驚いているのです。
この差ってなんなんでしょうか?
お互いを大変だと思っていることに間違いはないようですが…。
仕事と子育て、それぞれのどんなことが大変なのかちょっと考えてみたいと思います。
子育てと仕事はどちらが大変?パパにも知ってほしいこと
子育てと仕事を両方経験してみると、どちらがより大変かがよく分かってきました。
私は出産するまで正社員として朝6時には家を出て、帰宅は早くても夜20時頃でした。
育休明けは退職し、専業主婦として現在暮らしています。
仕事をしているときも、毎日ヘトヘトで、同じような毎日の繰り返しで疲労も半端なかったですが、専業主婦になり子育てをしているときのほうがもっと大変に感じています。
しかし、その悩みを旦那さんに言ったところ、『子育ても仕事だろ。俺の仕事の方が何倍も大変なんだ』とキレられました。
実際、こんな風に思っているパパは多いですよね。
今回は、そんなパパにも読んでほしいです。子育てが仕事以上に大変であることをお伝えします!
「仕事」の大変な事
①責任や時間的なプレッシャーがつきまとう
仕事はお金をもらってのことなので、責任を全うしなければいけなません。
また、いつまでにこれを終わらせくてはいけないという締め切りがあるので常に時間に追われています。
毎日、大なり小なり、プレッシャーとの戦いです。
②人間関係に悩まされやすい
上司・同僚・取引先にどんなに苦手な人がいても関わらなくてはいけないのが社会人。
仕事を円滑に進めるため周囲に気を配ることも求められます。
「子育て」の大変な事
①自分の意思・都合で行動することが難しい
子供がぐずれば買い物もトイレに行くことも自由にできない自分がやろうと思っていたことが全く思うようにできない
②誰にも評価してもらえない
仕事のようにわかりやすい報酬が受取れるわけもなく頑張っても頑張っても、誰かに褒められるわけでもない。
仕事と子育ての大変さにはこういった事が考えられます。
③休憩時間なんてない
専業主婦で子育てをしている人のイメージは、どのようなものを持っていますか?
私の旦那さん曰く、『ソファでゴロゴロして、自分の趣味に時間を費やしてばっかりで羨ましい』そうです。
そんな風に男性は思っているのでしょうか?!
だとしたら間違いです!朝から弁当を作って、家事をしたり、子供に朝食を取らせたり…。
洗濯を畳んだり、夕食の準備をしたり、子供をお風呂に入れたり、寝かせたり…。
ほぼ休憩時間はありません。
仕事をしているときの方が、休憩時間はあったし、休日もありました。
子育てには休日もありません。
旦那さんが休日にソファでゴロゴロしたり、ゲームに夢中になったりしていても、ママたちは働き続けています。
私は、パパにも育休を取ってもらい、子育ての大変さもわかってもらうべきだと思います。
④どこに行くにも子供を連れてかないといけない
子供を預ける先がないママもいますよね。
自分の実家や義実家が遠くにあると、預ける先もなくて、どこへ行くにも子供を連れて行くことになるのです。
もちろん子供と常に一緒なのがイヤなのではありませんよ。間違った解釈をしないでくださいね♪
例えば、美容院へ行きたいときがありますよね。美容院の滞在時間は約2時間です。
この2時間だけでもママは一人の時間としてゆっくりしたいのに、子供を見ていてくれる人がいないと美容院さえ行けません。
私の周りのママ友は、半年美容院へ行っていなかったり、一年以上行っていない人もいたりします。
素人だけど、自分で切っているというママさえいるのです。
それに比べてパパはどうでしょうか?!
『床屋へ行ってくるわ』と一言さらっと言い放って外出していませんか?
ママにも一人でゆっくりとお出かけする時間を是非プレゼントして欲しいです。
⑤責任はすべてママ?!
パパが仕事で家を出ている間、ママが一人で子育てをしています。
そうすると、パパは子供に何か起きたら、その責任はすべてママにあると考えていませんか?!
『お前がだらしないから、子供も片付けができないんだよ』『お前がしっかりしてないから、子供が怪我するんだろ』
こんな言葉をママにかけてしまったという経験はありませんか?
実はポロっと言ってしまったこのパパからの言葉にたくさんのママは傷つき、孤独を感じてしまっているのです。
子育ての責任はすべてママにあると思ってはいけません。パパとママの子供なので、二人で子育てをして、子供の悩みを共有する必要があるのです。
忙しいパパは、なかなかママとゆっくり話すじかんもなく、子育てのことを共有する時間も普段はないかもしれません。
それでも、毎日子供のことを聞いてみたり、ママの愚痴を聴いてあげたりしてあげてください。
ママは家で孤独なのです。一人で悩み辛い思いをしているのです。
パパの優しい言葉や態度がママを癒し、明日への活力になりますよ♪
「大変」かどうかはお母さんによって違う
しかしこれらの「大変」なことは、人によっては、むしろプラスに思えることがあったりします。
例えば仕事での責任や締め切りは、大きなプレッシャーを与え続けますがその仕事をやり終えたときの達成感はひとしおです。
人と話したり関わることが好きな人にとっては煩わしい人間関係も、大切な社会との繋がりとなります。
まわりからの評価や報酬へのこだわりはその人の承認欲求だったり競争心を満たすものです。
これらの強さは人それぞれでしょう。
SNSでさりげなく私生活を公開することでも満たすこともできます。
仕事が全てではないのです。。
「大変」かどうかは、子供によっても違う
「自分の意思で行動できず子供に振り回されてばかりの生活」の大変さ。
小さいを持つお母さんというのは、誰しもこういうものだと思っていました。
しかし、色々な親子と接してみるとどうやら必ずしもそうではないようなのです。
よく眠り、あまり愚図らず大人しい所謂、育てやすい赤ちゃん。
そんな赤ちゃんを育てているお母さんにとって、この「自分の意思で行動できない生活」はあまりピンと来ないようなのです。
私自身の第一子は「寝ない・常に愚図っている・神経質」
新米母を困らせる要素トリプルコンボのそれはそれは育てにくい赤ちゃんでした。
授乳中と寝ている時以外はずーっとグズグズ泣いているので1日中抱っこしてばかり。
トイレに行けないのはもちろん、朝起きた瞬間からぎゃんぎゃん泣いているので顔を洗うことすらできないまま、お昼になってたり。
頑張って出かけようにも、準備するのもグズグズ泣かれながら。
車のチャイルドシートも嫌がられ、ベビーカーや抱っこ紐も完全拒否。
スーパーでの買い物中ですら、ずっと抱っこ。
抱っこしたままカートを押し抱っこしたまま、お金を払います。
10分も経てば愚図りだすので早々に帰宅…
方や、ショッピングモールなんかで見かけるお母さん達。
赤ちゃん連れなのに優雅に買い物しているお母さんは当時の私には信じられない存在でした。
なんで、そんなに身なりを整える時間があるの?
なんで赤ちゃんベビーカーに乗ってるの??
なんでそんなにゆったり買い物しているの???
まさか赤ちゃん寝てるの!?
信じられないと同時に、羨ましいを通り越して妬みの感情すら持ってしまう自分が嫌になったものです。
しかし、自分の思うように行動できず周りを妬んでばかりの子育てが一変します。
数年後、第二子を妊娠。
また苦行のような子育てが始まるのか…
と怯えながら出産しました。
ところが生まれてきた赤ちゃんは、入院中からすでによく眠り起きていてもご機嫌で大人しく寝転がっているのです。
愚図っても、少しあやせばニコニコ。
あまりにも静かな時間が長く、時折、私は赤ちゃんが近くにいることを忘れてしまうことがあったくらいです。
本当に絵に描いたような「育てやすい赤ちゃん」でした。
出産直後にも関わらず、寝不足を感じていなかった私はちょくちょく外出し始めました。
赤ちゃんは愚図ることなく抱っこ紐に収まっています。
ベビーカーに乗せても嫌がることなくしばらく押していたら、静かに寝ています。
「生まれたばかりの赤ちゃんなんてそんなもんでしょ(笑)」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、そうじゃない子もいるんです。
私は、赤ちゃんがこんなに大人しくしていられることがむしろ衝撃で、本当に信じられませんでした。
そして、あれほど羨んで妬んでいたショッピングモールへのお出かけが、いとも簡単に実現し今では日常となっているのです。
第一子の育児中には、こんな日が来るなんて思いもしませんでした。
育てやすい赤ちゃんであれば、それほど子供に振り回されることなくある程度は自分のやりたいことができるのです。
結果、あまり子育てに負担を感じることなく育児のみの生活を快適に過ごせるのではないでしょうか。
まとめ
子育てと仕事、どちらが大変かは結局はお母さん本人の性格と、子供の性格次第だと思うのです。
周りからの評価や人との交流が大切な人は仕事している方が充実するでしょう。
人間関係に振り回されず、のんびり生活したい人は子育てだけの生活もしっかり楽しめるはずです。
どちらも大変だし、良いこともたくさんあります。
変に比べたり妬んだりすることではなく、「よそはよそ。うちはうち」の気持ちで
お母さんたちが選んだ道を自信もって邁進できたらいいなと思います。
家族のために仕事を休まず、一生懸命頑張るパパの気持ちや疲れ、ストレスも、働いていた経験からよく理解できます。
しかし、専業主婦になり、母となり、子育ての大変さも痛いほど実感しています。
仕事をしていたときのギャップや、子育てにおいての孤独感から私も育児ノイローゼにかかったほどです。
私の場合、子育ての大変さは旦那さんや義理の両親には理解してもらえず、辛い思いをしてきました。
きっと同じ経験をしているママや、現在その気持ち真っ只中のママもいつと思います。
だからこそパパにはお願いしたいのです。
ママは家という小さな世界で苦しんでいるのです。子供が嫌いとか一緒にいたくないとかそんな気持ちではないのです。それでも、苦しいときがあるのです。
少し、優しい言葉をかけてあげてください。